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ある無国籍料理店からナシードが耳に入り、そちらのほうへ目をやると案の定中東圏の浅黒い肌をした店主がいた。彼らは親日的ではあるのだが、如何せん、マスコミで報道される暗いニュース(ジハードやテロ)や、数年前まで上野あたりで偽造テレホンカード売りというイメージが日本にはあり、言ってしまえばおそらく日本人の多くが―あまりお近づきになりたくない―という心情がどこかにある。
しかし彼らの土地を一歩あるけば私たちのイメージはことごとくぶちこわされる。行く先々でなんのてらいもなく挨拶をし、無償でチャイを提供し、食べものの屋台では金は要らないと言い、タクシーから降りる際にも金は要らないという。世界遺産に指定されている宮殿に赴けば、広場でたむろしている家族らに手招きされ食べ物を与えられる。
親日的な彼らは日本のことが大好きで、もちろん日本人のことも大好きである。敬虔深く、思慮深くもある。老人を敬い、他者を思い、また悪を憎む。かれらはひどく純粋で且つ質実剛健なのである。私は過去に二度、この土地に足を踏み入れたことがあった。